電子工作はソフト開発と違い、部品の調達や環境構築が取り組む上のハードルになることが多いと思います。
また最近は部品を買うより組み立て品を買う方が安くなっていると思います。例えば、100円ショップで光センサー搭載のライトが売ってたりします。個人が少量の部品を買うより、確実に安いですね。
電子工作も分解してリユースする時代になるかもしれません。
では、本題です。
小型オシロという選択
テスターは動的な変化がわかりずらいですが、高性能/高機能なオシロとなると大型で高価なので個人の電子工作ではなかなか手が出しにくいと思います。となると、ざっくりと波形の形と電圧レベルが確認できる安価なオシロですね。
ポータブル性という点に絞れば、低機能で小型ディスプレイを搭載しているオシロか、波形表示はPCに任せるタイプのオシロという選択肢があります。
個人的には、今後は高機能なモバイル端末や携帯性に優れたラップトップPCが増えることを考えると、サンプリング/ADC/メモリだけを載せて波形表示はモバイル機器等に任せるというオシロが主流になってくるのでは予想しています。最近のモバイル機器は高性能ですから。(すでにAndroidとかであります)
しかし、今回はあえてLCDオシロスコープキットを組み立ててみました。
研究室の遺産で電子工作に必要なモノをもらったのに使う機会がなかったのと、久しぶりに半田付けをしたくなったのがきっかけです。
あと、自分で組み立てることで不具合が起きても修理がしやすいのは利点ですね。
LCDオシロスコープキット
今回は秋月電子で買ったLCDオシロスコープキット 06202KPを組み立てます。
中身をみるとMCUにディスプレイにボタン…部品だけみると昔の携帯電話みたいです。
スペックは以下のようです。
◆サンプリング周波数:5MHz
◆分解能:8ビット
◆メモリー:256バイト
◆アナログ周波数帯域:1MHz
◆垂直感度:100mV/div~5V/div
◆入力抵抗:1MΩ
◆最大入力:50Vp-p
◆電源:DC9V、280mA程度
MCUはATMEGA64xシリーズの8bit 16MHz AVRのようです。
ちなみに、タイマーIC(TLC551)とオペアンプ(TL084C)はTI製でした。
ざっくり波形を把握するくらいのスペックですね。
さっそく作ってみます。
メイン基板の作成
先にメイン基板の裏面のコンデンサやトランジスタを取り付けます。
すでに、ハンダ付けしづらい部品はすでに表面実装されています。
ハンダ個所の注意所は、他のサイトで紹介されているので省略します。
こんな感じです。
LCDの取り付け
メイン基板の表面はLCD,タクトスイッチ,スライドスイッチを取り付けます。
この面とLCDの裏面が干渉しないように透明テープを貼りました。不満な点は,LCDの取り付けがハンダ付けであること。20ピンくらいあるので取り付け後の不具合は考えただけでも恐ろしいですね。ここは差し込む方式が良かったです。
9Vアダプタを挿したら、ちゃんとファームウェアが起動しました!
果たして動くのか
最後にスペーサで基板同士を繋げて、RCAプローブを作ります。プローブは信号線とGND線が干渉しないように作ります。
ついに完成!やっぱりこの瞬間はうれしいですね。
側面は以下のようになります。
このオシロには動作確認用の500Hzの矩形信号が用意されています。
また、周波数カウンタ機能もあります。詳しくはこちらを参考に。
ころがっていたMSP430ローンチパッドにも繋いでみました。
組み立てただけでは面白みがないので、時間ができたら改造してPCにデータを取り込む機能でもつけたいと思います。
ちなみに、WEBページの要約にWeb/モバイルアプリ/ガジェット開発とあるけどガジェットやってないじゃん!と思った貴方。オシロも手に入りましたし(たぶん)やりますよ!