抵抗とは何か
抵抗器は電気を流れにくくする電子部品です。
流れる電気の量を制御して, 電子回路を正常に動作させる役割をもつ素子です。
抵抗の種類
抵抗器には抵抗体の材料や構造によっていろんな種類があります。
ここでは電子工作でよく使われるものを紹介します。
カーボン皮膜抵抗器
炭素(カーボン)の皮膜が抵抗体となり, らせん状の切り込みで抵抗値が調整されています。
安価で電子工作でも多用されます。抵抗値はカラーコードで判別します。
金属皮膜抵抗器
ニッケルクロム合金などの金属を使用しており, 温度による抵抗値の変化やノイズが少ないのが特長です。
オーディオなど精度が要求される回路で使用します。
可変抵抗器
つまみを動かすことで抵抗値を変えられる抵抗器です。
電流を制御してスピーカの音量を調整したりすることができます。
半固定抵抗器
電圧や電流の微調整のために使われる可変抵抗器で, 回路の組み立て時にドライバで調整します。
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電子工作と抵抗
抵抗は名前の通り, 電気が流れるのを邪魔する働きがあり回路を正常に動作させるために必要な素子です。
一般的にデジタル回路は High (以下H)か Low (以下L)の信号で処理します。電源電圧が 5Vとすると 5VはH, 0VはLということになります。
仮にマイコンに流れる電圧がその2.5Vの場合, マイコンはHかLかわからず不安定な状態になってしまう可能性があります。
そこで今回は, マイコン周辺のスイッチの切り替え (H/L)や誤動作防止で使用されるプルアップ抵抗やプルダウン抵抗の役割について紹介します。
プルアップ抵抗
プルアップ抵抗の場合, VCC側に抵抗を繋ぎます。
入力レベルが抵抗によってVCCに引き上げられるので普段はH, スイッチボタンを押すとLになります。
マイコンには内部プルアップ抵抗 (Weak Pullup)が入っている事がありますが, 多くは1kΩ未満と低く距離が遠くなると外乱の影響を受け易くなります。
一方, プルアップ抵抗を高くするとマイコンの立ち上がりが遅くなってしまうので注意が必要です。
一般的な5Vの回路を組む場合, プルアップ抵抗には4.7k~10kΩがよく使われます。
また, プルアップ抵抗はI2Cのバス接続の用途で使われます。
プルダウン抵抗
プルダウン抵抗の場合、GND側に抵抗を繋ぎます。
入力レベルが抵抗によってGNDに引き下げられるので普段はL, スイッチボタンを押すとHになります。プルダウン抵抗には1kΩがよく使われます。

